Story02
失敗から学んだ経験を活かし
細やかなフォローで
大型契約を獲得
ダイワボウ情報システム株式会社2017年入社 文学部卒 | 首都圏営業本部 東東京営業部 東東京第1支店 営業 E・A
Story02
ダイワボウ情報システム株式会社2017年入社 文学部卒 | 首都圏営業本部 東東京営業部 東東京第1支店 営業 E・A
2017年、ダイワボウ情報システム(DIS)に入社したEが配属されたのは、メーカーやサプライヤーから仕入れたPC、サーバー、OA機器といったIT関連商品を、パートナー企業を通して販売する営業部。DISの幅広いネットワークを活かし、流通を支えるディストリビューターとして活躍できる部署だ。Eが任された仕事の一つに、大手システムインテグレーター(SIer)を通して、海外の半導体メーカーの検査機器に使用されるモニターやキーボードなどのサプライ品を定期的に調達するという業務があった。新人でも大きな仕事ができると聞いてはいたが、配属直後に任された想像以上に責任ある仕事。「精一杯、気を引き締めて取り組んでいた…つもりでした」。
だが、あるとき想定外の事態が起きる。安定供給していたメモリテスタ機器に組み込むキーボードが、急遽廃盤になるという情報が上がってきたのだ。すでに納品の期日は迫っている。
本来、部材が廃盤になる場合には、遅くとも3ヶ月前には連絡を入れなければならない。たとえ一つであれ、部材を変更することになれば、機器の設計そのものを変更しなければならないこともある。3ヶ月は、そのために必要な猶予期間だ。レアケースとはいえ、トラブルは起きてしまった。
「よくいわれるように、営業は会社の“顔”。DISを代表してお客様と接している限り、新人だからでは許されません」。
最新バージョンのキーボードへ切り替えることはできないか。考えられる可能性を探ってはみたが、現行のキーボードに合わせた機器はすでに完成している。たとえ変更できたとしても、クライアントが不要な在庫を大量に抱えてしまうことになる。また、新しいキーボードに合わせた機器をつくるにしても、設計の見直しなどには数ヶ月を要する。その間、クライアントの開発は完全にストップしてしまうのだ。最終的な解決策は「なんとかして探し出すしかない」という一択だった。
取引先メーカーにも協力を仰ぎ、メーカーの海外在庫からECサイトなどの流通在庫まで、あらゆる手段を駆使して在庫を当たった。まさに、藁にもすがる思いだった。その間、約1ヶ月。幸運なことに、メーカーの海外倉庫に残っていた製品を見つけ出すことができた。
「メーカーさんや同じ部署の先輩たちの協力も得て、なんとか予定出荷分のキーボードを調達することができました。でも、同じ失敗は二度としたくない」。心に誓ったEは、反省すると同時に“次の一歩”を踏み出した。
クライアントの担当者に、月1回の定例会を開きたいと願い出たのだ。今回のようなミスを事前に回避するためなら、と担当者も協力を快諾してくれた。以来、定番品の詳細なリストを作成し、3ヶ月先までのフォーキャスト確認と在庫・廃盤情報を共有するためのミーティングを毎月実施。それと同時に、数量の多い製品は、仕入れを担当するバイヤーに相談、あらかじめ多めに仕入れてグループ会社の倉庫にストックしてもらうなど、社内での連携も深めるように努めている。
毎月の定例ミーティングでは、在庫の確認だけでなく、DISが開くセミナーの案内や新商品・新サービスの情報提供も積極的に行なっている。「コミュニケーションを深め、細やかなフォローを心がけてきたことで、以前にも増して信頼関係を深めることができました」。入社2年目を迎えた昨年、その成果が大きなビジネスとして実ることとなる。
定期調達してきたサプライ用品だけでなく、メモリテスタ機器のサーバー本体も、DISの物流を活用する形で協業することに成功。「何度か断られていた提案を、諦めずに続けてきたことが良い結果につながったのだと思います」。
入社1年目で経験した手痛い失敗。だが、そこから学んだことを活かし、細かなフォローや提案を地道に続けたことで、お客様との信頼関係はより強固になり、年間数億円という大きなビジネスにまで結びついたのだ。