Story01
新たなスキームの構築で
成長の手応えを実感
ダイワボウ情報システム株式会社2013年入社 政策創造学部卒 | 西日本営業本部 中央大阪営業部 中央大阪第4支店 営業 主任 Y・K
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ダイワボウ情報システム株式会社2013年入社 政策創造学部卒 | 西日本営業本部 中央大阪営業部 中央大阪第4支店 営業 主任 Y・K
国内外約1,300社に及ぶメーカー、サプライヤーから仕入れるIT関連商品を、19,000社を超える販売パートナーを通じて全国のユーザーに届けているダイワボウ情報システム(DIS)。営業の仕事は、単に製品を販売するだけでなく、製品知識や提案力を活かし、メーカーと販売パートナーを円滑につなぐ役割も担っている。
営業活動を始めて4年目のYに、プロジェクト参画への打診があったのは2017年のこと。海外からも大勢の人が訪れる2020年のビッグスポーツイベントに向け、安全対策として用いられる鉄道業者向けの監視システムの導入案件だった。Yにとっては、これまで経験したことのない規格外の大規模な案件だ。だが、答えに迷いはなかった。「若い自分に与えられた大きなチャンス。絶対にチャレンジしたい」。
与えられたミッションは、鉄道業者向けの監視システムのデータを蓄積・保管するためのサーバー、数百台の導入だ。プロジェクトは数年前にスタートし、大手システムインテグレーター(SIer)とタッグを組んで開発が進められていた。だが、正式な受注契約までは至っていない。そこで、フロントマンとしてYに白羽の矢が立ったのだ。配属されてすぐに取り組んだのは、開発システムに必要な製品の確保から納品までのスケジュール管理や金額面での交渉。外資系メーカーとSIerとの間に立ち、それぞれのニーズを聞き取り、最適な方法を探る。そんな中、最大のネックになったのが、保守期間に関わる問題だった。本来、製品の保守期間は、メーカーが出荷した直後から開始される。最大限引き伸ばしたとしても半年後。だが、今回の監視システムは2年後の運用を目指しているもの。実際に稼働する時には、すでに保守期間が2年以上経過していることになる。なんとか方法を見つけ出すしかない。メーカーやSIerの担当者と幾度となく話し合いを重ねた末に導き出したのは、DISのグループ企業が所有する倉庫を活用し、製品を2年間プールし、メーカーには保守期間を2年間先に延ばしてもらうという異例の作戦だった。
「これはイレギュラー中のイレギュラー。管理費や滞留費といった経費も発生する。営業の私1人では、到底対応できないレベルのこと」。上司をはじめ、仕入れ担当や物流、管理、営業支援などの関連部門はもとより、物流倉庫を持つグループ会社とも連携し、チーム一丸となって一つひとつ問題点をクリアしていった。時に橋渡し役となり、時に中心に立ち、調整を重ね、ついにサーバー数百台の大型契約を獲得するに至る。
契約までの間には、SIerを物流倉庫へ案内し、視察してもらったこともあった。その後も、初期不良が見つかったり、外箱の損傷で連絡が来たり。そのたび物流担当と連絡を取り、ようやくすべての納入を終えたのは昨年11月。開発から契約、納品まで、長期にわたるプロジェクトは無事に完了。監視システムは、この春から鉄道の各駅に設置され、今日も人々の安全を見守っている。
「決め手になったのは、これまでにない仕事のスキームを構築できたこと。苦労もあったけれど達成感の方が圧倒的に大きい」。それはY自身の大きな自信につながった。
周りの協力なしには成し得ないビッグプロジェクトを成功に導いたY。この間、仕事を進めるうえで自分に課していたのは「人に聞く前にまず自分で考える。入社1年目の頃、先輩に言われた言葉です」。周りの協力を得るためには、まず自分の意見を持つこと。それが今回の仕事にも大いに役立ったという。その心がけが功を奏し、これまで以上に人脈も広がり、メーカーや販売パートナーとのパイプも太く強固なものになった。
ディストリビューターは、メーカーと販売パートナーの間に立って調整することも大きな仕事。
そのためには、コミュニケーション能力も求められる。「同じ内容の話でも受け取り方は人それぞれ。伝え方の違いで相手の動きも変わる。社内でもそれは同じで、独りよがりにならず、相手の意見や立場も尊重して訴求することの大切さを学んだ」と振り返る。
このプロジェクトを通して、新しい仕組みの構築や太いパイプづくりができた。「この経験を後輩の指導にも役立てたい」という。そして、築いた信頼関係や人脈を活かし、一歩先を見据えて提案し、課題を解決する。「お客様と共に、常に向上する存在であり続けたい」。Yは表情を輝かせる。